午後は、古代アゴラ遺跡へ向かいました。
アクロポリスの丘を臨む人々の集いの場、
ここに様々な施設が集まり、アテネの人々の生活に関わる数々の事柄が決められたそうです。
復元されたこの建物の、石のベンチに正座でくつろいでいたら、
職員の方に、「靴を履いてくださーい」と注意を受けてしまいました。
きっと美しい物を残すため、色んな決まりがあるんでしょうね。
日本のお寺に通じる規律を感じて、注意されながらもちょっと嬉しくなってしまいました(笑)。
復元されたこの建物の中は、出土品などの博物館になっています。
暑かった一日も終わり、ギリシアの月の出。
そして、ゆっくりと夕焼けが広がりました。
ライトアップされたパルテノン神殿が、丘の上に浮かび上がっています。
これは、泊まっていたホステルの屋上からの眺め。
このホステルは6人部屋3000円位だったので、あまり安くはないですが、
何しろ立地が良いのです。
アクロポリスまで歩いてすぐ。
屋上がBARになっていて、ビールを飲みながら毎日こんな景色を眺められる。
それから、スタッフがフレンドリー。
私の名前は「なほみ」よ、と挨拶したら、
「それは覚えやすいね、ギリシア語のsorryと音が似てる」と言う。
で、発音してもらうと「シグナミ」とも「スギナミ」とも聞こえる。
全然「なほみ」じゃないじゃん!
でも、それで彼らにインプットされてしまったみたい。
顔を合わせる度に「ハィ、シグナミ!」と声を掛けられました。
嬉しいんだけれど、つまり言えば「Hello Sorry」もしくは「おはよー、すみません!」ってことでしょ?
複雑だなあ…。
カリフォルニアから来たコニーとも友達になりました。
彼女はギリシアの島々を船で旅してきたそうです。
今日も約8時間船に揺られてアテネに着いたのだとか。
その前々日は12時間、満員の船の廊下で過ごしたそうです。
彼女とは偶然同じ部屋で、彼女が着いた時たまたま私がいたのでベッドを案内したのだけれど、すぐに倒れ込む様に横になり咳をしていたので、
ちょっと心配していたのです。
でも、バーで会ったら、数時間しか経っていないのにすっかり元気、
というか元気以上。
私はこの暑さの中日中動き回ったのでばて気味。
夜9時半にイロド・アディコス音楽堂でギリシア劇の公演があるけれど、と言ったら彼女はすぐ乗り気。
で、私は少々へろへろしながらも、連れだって出かけました。
しかし、なんと開演は今日に限って8時半。
人々のノンビリ度を反映してか、情報も何故か曖昧。
残念。
見上げれば間近に夜のアクロポリス神殿。
なんて美しいのでしょう。
きっと神様降りてきてますね。
舞台を観られなかったのは残念。
でも会場の方と話したら、「ギリシア語だからきっと難しいよ、
今日入らなくて良かったよ、
明後日の音楽会に来るといいよ」と慰められました。
いや、ギリシア劇をここで観たかったんだってば、
そして、明後日の晩はもうここにはいないんだけれど…。
仕方ないね、気を取り直して、コニーとディナーへ行くことにしました。
コニーはアテネ3度目、
良いレストランを知っているから、ということなので付いていくことにしました。
よく聞くと、良いレストランというのは、ハンサムなウェイターがいるところ…らしいですが、まあ、ここはひとつ彼女に任せて、と。
このコニーがかなり傑作、
ずーっと喋りっぱなし、
しかも、何度か行ったことのあるそのレストランの場所が良くわからないらしい。
「地下鉄の駅の近くだったから」と、道行く人に駅の方向を聞いているのですが、
地下鉄の駅なんてそこら中にあるって(笑)。
歩きながらもハンサムなギリシアの子供や男性を見つけては、
「ちょー綺麗、ちょーハンサム、連れて帰りたーい、ギリシア人の彼氏欲しいー」を連発。
かと思うと、サンフランシスコは文化が無くて本当に寂しいところだ、
とか、
今はちょっと太めだと人間性を疑われて仕事にも就けないの(確かにパンチの効いた体型なんですが)、と、
地元の現状を愚痴ってみたり。
歩きに歩いて約1時間半、永久に晩御飯にありつけないのではと思ったころ、やっとそのレストランに到着しました。
レストランと言っても、オープン・カフェの様なケバブやだったのだけれど…。
しかもハンサムなギリシア人は見あたらず…、
更に、その場所はホステルから歩いて約15分程のところ。
到着したときは二人して大笑いでした。
歩き回らせて悪かった、と、ディナーはコニーがおごってくれました。
ギリシアはラムが美味しいのですって。
羊肉が苦手な私もこれを機会に挑戦。
頼んだラム・グリル・レモンソースは、意外に鶏肉に近かった。
私がビールのジョッキ1杯を空ける間にコニーは3杯。
満腹になって、おとなしく帰途についた私を残し、
コニーは真夜中のクラブへと繰り出していきました。
恐るべしコニー。
あー、長い一日だった。